旅人・プロデューサー・演出:
たかのてるこ
聞き手:島田紳助
ナレーター:原マスミ
音楽:栗コーダーカルテット
撮影:高橋利行
編集:須永弘志
サウンドデザイン:薄井洋明
構成協力:吉田明美
協力:宥海
撮影協力:レストラン「ルーマニア」/mabu
制作協力:東映東京撮影所
編成:渋谷謙太郎(フジテレビ)
制作:フジテレビ・東映
旅人/たかのてるこ
「世界中の人と仲良くなれる!」と信じ、30数カ国を駆ける旅人。会社勤めの傍ら、有給休暇で旅した映像を自らテレビ局に持ち込み、この『銀座OL世界をゆく!』を旅番組として放送する等、ユニークな活動を展開。
たかの自身が、現地の人たちと体当たりで触れ合う、行き当たりバッタリ旅を記録した本
旅番組は、深夜放送ながら大きな反響を呼び、シリーズ?〜?がDVD化され話題に。
ドラマ化された代表作『ガンジス河でバタフライ』(幻冬舎文庫)ほか著書多数。世界の人びとの等身大の魅力を伝える、ラブ&ピースな“地球の広報”として、幅広く活躍中。
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現在は定住している人が殆どですが、かつてジプシーは旅をしながら生活していました。
そのルーツはインド北西部。およそ1000年前、「西に理想の地を求めて」旅を始めた人たちだと言われています。今や世界中に散らばっていて、
その数およそ1200万人。
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世界中をさすらってきたジプシーは、そのエキゾチックな容姿や、独特の生活スタイルから、ゆく先々で差別されたり、迫害されてきました。しかし、音楽や芸能の才能に長けたジプシーは、住み着いた土地で異文化と自分たちの文化をミックスさせ、独自の“混血文化”を育んできました。スペインのフラメンコ、トルコのベリーダンス、バルカン半島の音楽など、ヨーロッパでジプシーの影響を受けていない国はないと言われるほどです。
また、人気オペラの『カルメン』をはじめ、作家のゲーテ、トルストイ、ツルゲーネフ、音楽家のブラームス、シューマン、リスト、画家のピカソ、ゴッホ、ルノアールなど、ジプシーに触発されて作品を創ったアーティストは数えきれません。
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今回の旅先は、東欧で唯一のラテン国、ルーマニア。今も馬車が走り、中世の風情タップリのルーマニアは、ヨーロッパ最後の秘境! 世界一ジプシーが多いと言われるルーマニアは、人口の1割がジプシーだと推測されています。
“ワールドミュージック”を確立した第一人者で、「キリン淡麗〈生〉」の CM曲、「♪ボッラーレ、オッオッオ〜」でおなじみの世界的なジプシーバンド 『ジプシー・キングス』は、「自分たちの呼び名をポジティブなものに変えていきたい」という意志を込めてバンド名にしているように、彼らの中には「ジプシー」という名を誇りにしている人たちもいます。
また、日本では、“旅の民”「ジプシー」には、ロマンチックな響きや無頼でカッコいい雰囲気があり、自由な生き方への憧れ、象徴として、長く親しまれてきました。
現在、ジプシーは少数民族「ロマ族」として認められていますが、日本では浸透していない為、本番組では、敬意を持って「ジプシー」の愛称を使っています。
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過去や未来といった概念がなく、祖国も文字も持たないジプシーは、とにかく、いつも「今、このとき」に全力投球!? 彼らは苦難の歴史を語り継ぐのではなく「自分たちは“旅の民”だ!」 という民族の誇りにして、1000年もの間、旅を続けながら生き延びてきました。
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早くに結婚して子どもを産み、何よりも家族と仲間を大切にしているジプシー。
苦難の歴史にもかかわらず、ふてぶてしいまでに明るくポジティブなジプシー。
衣装も家の中も、とことん派手好きなジプシー。
そのときどきの自分の心に忠実で、テンションがクルクル変わるジプシー。
どこまでも優しく、過激なまでにチャーミングなジプシー。
ジプシーの生き方を知ると、「人生はいいことばかりも続かないものの、悪いことばかりも続かない。というか、すでに自分の身に起きてしまったことをネガティブにとらえても仕方がないから、これからの未来を信じるしかないんだ!」と思えてきて、心に活気が湧くこと間違いなし!です。
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ジプシー(ロマ族)とは民族? はたまた、自由な生き様??
『ジプシー・クィーン』(中森明菜)、『太陽にほえろ!』の“ジプシー刑事”etc
“旅の民”ジプシーは、自由奔放なイメージですが、
その神秘的でエキゾチックな存在は、私たち日本人には謎のベールに包まれています。
中でも、ジプシーが最も多く住んでいるのが、ルーマニア。
いざ、《ヨーロッパ最後の秘境》へ向かった“旅人たかの”は、
ツッコミどころ満載のジプシーに、驚かされっぱなし!
現在は定住しているものの、
長い間、移動生活を送ってきたジプシーは、家、土地、モノへの執着が薄く、
「ある」人が「ない」人に、分け与えるのは当然で、
「ない」人が「ある」人から、分け与えてもらうのも当然。
まさに、あなたのモノは私のモノ、私のモノはあなたのモノ!
たかのがお菓子を抱えていると、「ちょうだい!」攻撃に遭うものの、
今夜泊まる場所も食物もないことが分かると、
なんの見返りも期待せず、旅人を家に泊めて、精一杯もてなしてくれます。
そして、ジプシーには過去や未来といった概念がありません。
毎日、今日が一番大事!
どんなときも、「今、このとき」が全てなのです。
でも、いろんな人がいるからこそ、この世は面白い!
さまざまな民族の多様性を認めることは、
世界の平和に繋がるだけでなく、
人それぞれのオリジナルな個性を尊重することにも繋がるのではないでしょうか。
本番組を見れば、人との違いを気にしている人も
前向きに開き直ることができるはず!
ジプシーから授かった、人生を生き抜く智恵を、
カラフルな秘蔵映像で、ユーモアたっぷりにお贈りします!